棚田の歴史を守り地域の活力へ(安芸太田町)


「都会の方との農業体験交流を通して、地域に元気を与えたい」と話すのは、安芸太田町の「井仁自治会」河野司会長(60)。日本の棚田百選で知られる「井仁の棚田」を守っていこうと「井仁棚田体験会」を開催している。
 今年で8年目を迎えるこの取り組みは、春に田植え、秋には全員での収穫体験を地域をあげて行っているほか、棚田の風景美を撮影した写真コンテストも開催。
 10月1日には、計画していた稲刈りは雨で中止になったため、広島市内の子ども会や留学生団体など約80名が参加し、そば打ちを体験した。広島市から参加した川埜亮さん(37)は「ここは、棚田や自然が素晴らしいところ。そこに関心を持つことが必要だと思います。来年も季節ごとの農業を体験したい」と話す。
 井仁の棚田は約12fのうち約8f、320枚あまりが広がる。75歳以上が半数を占め、高齢化の問題を抱えていることから、都市からの作業ボランティアなどを受け入れることも視野に入れ、三百年以上続くこの棚田を守り続けていきたいという。
 河野会長は「都市との交流イベントで、参加者に四季や棚田の良さを感じてもらうことで地域が活気づく。これからも地域を守る活動を続けていきたい」と農業体験イベントから地域保全・活性化へのステップアップを目指している。(伊藤)

 【写真説明】

日本の棚田百選で知られる「井仁の棚田」

そば打ちを体験する参加者たち