伝統芸能「花田植え」復活へ高まる気運(安佐南区)


 「江戸時代に盛んだった花田植えを復活させよう」と伝統芸能を残す動きが、広島市安佐南区の安地区で起こっている。「来年は田んぼで花田植えを再現したい」と意気込むのは、『安の大花田植保存会』(森野文恵代表=71歳、約25人)。
 安の大花田植は江戸時代(寛政年間=1790年頃)に始まったものとされ、大きな稲田や畜牛の減少により1959年(昭和34年)を最後に中断している。
 安公民館では地域の伝統芸能の復活を目指して3年前から地元住民に呼びかけ、関連資料を収集。見つかった楽譜や1958年(昭和33年)当時のテープ、その頃を知る住民に記憶をたどってもらうなどして再現に取り組み、毎年11月の公民館祭りで披露。現在も地元・安地区の小学生や60〜80歳代の男女約25人が集まり月2回同公民館で練習する。
 「田植え歌を歌うのは初めて」という本田博信さん(70)の音頭に合わせて、手作りの花笠をかぶった浴衣姿の子どもたちは踊り、苗を植える動きを繰り返す早乙女役の女性たち。早乙女の経験がある山本スゞヱさん(81)は、「昭和33年ごろは大人も子どもも一緒になって花田植をした。70〜80人はいたし、それは賑やかだった」と当時を懐かしむ。市立安小学校3年の日向瑠衣さん(8)は「合わせるのが大変だけど、踊るのが楽しい」とニッコリ。
 安公民館の松島千秋館長は、「郷土芸能を後世に伝えていくためにも、花田植えを復活させたい。子どもたちが体験を通して、地域との関わりを感じてくれたら」と話している。(太田)

 【写真説明】
@花田植えの練習をする「安の大花田植保存会」と子どもたち
A1956(昭和31)年ごろの大花田の風景(「創立120周年記念誌『やす』から=広島市立安小学校発行」)





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