稲作支援特集
天候不順に負けないぞ!

〜平成17年産稲作のポイント〜

 前半は最高ともいえる順調な様子から一転、後半はまさに最悪となった昨年のコメづくり。「よーし、ことしこそ!」と意気込むみなさんに、天候に振り回されながらでも、収穫の喜びを味わうためのポイントを芸北地域事務所農林局地域営農課に伺いました。

●はじめに
 ここ数年、稲作にとって厳しい気象が続いているのは、農家の皆さんが身をもって感じられておられることと思います。平成15年は7〜8月冷夏、平成16年は度重なる大型台風でいずれも作況が平年を大きく下回りました。
 あらゆる気象災害(冷害、干ばつ、水害、風害など)に対応した稲作は可能でしょうか?・・・特効薬はありませんが、基本技術の励行がリスクを回避することになります。

●健苗育成
うすまきと水管理、温度管理を徹底し、太い茎の苗をつくりましょう。初期生育を促進させ、倒伏防止にもつながる基本中の基本技術です。
@うすまき
幼苗で催芽もみ180g/箱(乾もみ160g)以下が望ましい。
A温度管理
・下記の温度を参考に、昼間の高温と夜間早朝の低温(10℃以下)に注意しましょう。
・特に、夜温が高い日が続くと苗が徒長しやすくなります。
・4月末〜5月初旬に霜が降ることがあるので、天気予報には注意しましょう。



B水管理
緑化期から硬化初期は水のやりすぎに注意しましょう。水ぐせ苗となり、根張りが不良になります。

●本田の準備(基肥)
 @基 肥
【昨年の出来具合はどうでしたか?】
・早くから倒伏した。
・株が張ったわりには、収量がとれなかった。
・収量はそこそこだったが、1等米にならなかった。
      ↓
あなたの水田の目標茎数、穂数は?

●倒伏対策を優先する場合:分けつをやや抑え、穂数を少なめで、追肥・穂肥で収量をカバーします。具体的には、基肥をやや少なくし、穂肥の量・時期で調節します。場合によっては、穂肥までに追肥で調節します。
(参考1)水稲の収量構成要素
収量=穂数×1穂籾数×登熟歩合(1穂で玄米になる割合)×千粒重(玄米の大きさ)
(参考2)OFAC(水稲生育予測調査)からの地帯別、品種別の目標収量構成要素

(実績データ平均)

※平成元年〜平成9年の9年間のデータの中で、検査等級が1等の地点の平均値から算出。
※収量は坪刈収量のため、収量構成要素を掛け合わせた乗じた収量と若干異なる。

●田 植
 大株植えや密植は過繁茂となり、収量・品質低下や倒伏につながりやすくなります。
@植付本数(推奨)
 3〜5本/株
A植付間隔(推奨)
 条間30cm×株間18cm (60株/坪、18株/u)
・株の張りにくい地帯、水田では、やや狭く植えます。(例:株間16cm、坪70株)
・どうしても、小株植えできないところでは、株間をやや広めにし、日光が良く入るようにします。
前年、転作など水稲を植えなかった水田では、さらに株間を拡げると倒伏を軽減できます。
B植付深さ
 深植えすると活着が遅れます。(低地温、酸素不足)
C箱施薬剤
 昨年、いもち病の箱施薬剤の中で、MBI−D剤耐性菌が県内数地点で確認されており、いもち病への効果が期待できない場合があります。昨年の発生状況を考慮して、薬剤を選択しましょう。
※MBI−D剤(シタロン脱水酵素阻害型メラニン合成阻害剤)=例:ウィン○○箱粒剤、デラウス○○箱粒剤など

●水管理(間断かんがい・中干し)
@水管理の基本は間断かんがいです。根に酸素を供給し、後半まで活力を保ちます。ただし前半、干しすぎると雑草が多発するので注意を。
A中干し
 目標茎数(穂数)の7〜8割確保されたら、中干しを始めます。ただし、砂質土や漏水田での強い中干しは、かえって根を傷めたり、漏水を助長します。

※中干し時期のめやす(株間18cm、坪60株植えの場合)


●除草剤
・適期に使用し、除草効果を高めましょう。
・代かきが終わると次の雑草が徐々に生育を始めます。田植後の一回の除草剤で済ます方は、代かきから田植えまでの日数が長すぎると雑草が大きくなりすぎ、除草剤の効果が落ちやすくなります。
・除草剤の容器に記載してある効果のあるノビエ葉数を参考に散布時期が遅れないようにしましょう。

※植代後日数とノビエ生育のめやす


●倒伏防止対策
@植え込み本数を多くしない。
・多く植え込むと、過繁茂になりやすく、茎が細くなって倒伏しやすくなる。
・ただし、分けつが十分に期待できない高冷地などでは、その限りでない。
A適正に施肥する。
・珪酸資材を随時施用し、茎の組織を強化する。
・水田の性質、前作物の考慮など水田にあった基肥を施用し、穂肥のできる稲にする。
・葉色と生育を考慮し、適切な時期と量の穂肥を施用する。
B水管理を徹底する。
・間断かんがいや中干しを励行し、下位節間の伸長を抑え、土壌を固めて株支持力を高める。
C倒伏軽減剤の使用を判断する
・最後の手段として、倒伏軽減剤を使用する。
 
※コシヒカリの時期別草丈と倒伏の関係