地域農業を支えようと4人のプロが農業法人を設立(美土里町)


 これからの農業は自分たちが支えようー。地域や関係者の期待を受け、安芸高田市美土里町で旧高田郡6町合併を前にした'03年12月、意欲に燃える4人の有志が農業法人を立ち上げた。その名は『MASS(マース)21』(原田憲義代表=56歳)だ。『MASS21』とは、ミドリ・アグリ・サポート・システム・21世紀の頭文字。美土里町の農業を、自分たちにできるところから支援していこうという思いから名付けた。
 「合併をひかえた夏、地域の農地の管理や作業受託をしてきた農業振興公社から依頼があったんです」と原田代表。背景には、同公社が抱えていた悩みがあった。先祖代々続く自分の土地を人の手に託したくない、という気持ちが根強い地域での活動に行き詰まりを感じていたのだ。
 「みすみす農地が荒れていくのを見届けていくのは悲しいし、地元で他町の人が作業するのもなんだか悔しい」と、共通の思いを抱く4人が立ち上がった。それぞれがジャンボシイタケ栽培に取り組み、かつて営農、農作物販売、農機具、行政という職業を経験したプロでもあった。
 「農業そのものが景気の悪い時期。最初はやるか、やらないかの話題でした。何回も小げんかをし、何本酒ビンを開けたことか」と苦笑する原田代表。「法人を立ち上げるのなら今しかない。自分たちならやれるかもしれない」とメンバーの意志が固まった。
 昨年の実績は、集積農地7fでヒメノモチとこしひかりを栽培。その他、春と秋のたい肥散布受託のほか、冬季の市道除雪作業も行う。
 同市農林水産課の大野逸夫課長は「MASS21は、機械の整備・農業経営等のプロ集団で、これからの地域農業の貴重な担い手でもある。今後の安芸高田市の、とりわけ農業を中心をした地域づくりの一翼を担っていってもらいたい」と期待を寄せる。
 「人的作業の問題とか反省点も多々あるが、計画通り収益もまずまず。夢もある。軌道に乗ったら若い人材も育成し、経営も20fまで拡大を伸ばし、地域になくてはならない集団になりたい」とメンバーは熱く語る。(山本)

【写真説明】
@有限会社MASS21の原田憲義代表(56歳・左)とメンバーの貞任大輔さん(62歳・左から2人目)、佐々木祥文さん(49歳・左から3人目)、津田文則さん(63歳・右)