家畜診療所メール

サクテイのススメ@
NOSAI広島西部家畜診療所
獣医師:大下克史

春ですね。街中では制服やスーツ姿の新入生や新社会人を目にします。彼らが長い足でさっそうと歩いている姿は実に初々しくかっこいいものです。自然界に目を移すと、スラリと伸びた四つ足でサバンナを駆けるキリンやシマウマたち、競馬場で馬場を疾走するウマもかっこよく、とても魅力的ですよね。
さて、今回から何回かにわたり我々がふだん相手にしておりますウシの足についての話をさせていただこうと思います。みなさんは四つ足動物の足をじっくりとご覧になったことがありますか?ほとんどの四つ足動物は人間と違い、歩行時あるいは起立時には踵(かかと)を地面につけていることはありません。位置的に膝や肘だと思われている関節は実は踵の関節で、常につま先立ちで起立・歩行しているのです。そのつま先には人間でいう指のツメに該当する蹄(ひづめ)があり、体重を支えています。ウシはご存知のように偶蹄類ですので、それぞれの足に2つずつ蹄があります。これは自然界で生きていくうえで、地面の起伏や傾斜によく対応でき、いろいろな場所で生活できるため非常に有利です。一方ウマの仲間は単蹄類で一本の足にひとつの蹄しかありませんので、生活できる場所を制限されてしまいます。このためウマの仲間は野生ではノロバとシマウマしかいませんが、ウシの仲間は世界中に200種類以上存在します。このように優れた機能を持つ偶蹄類であるウシは、その能力を充分に発揮できているのでしょうか?次回は蹄についてくわしくお話したいと思います。