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広島市安佐北区安佐町鈴張の鈴張第15区生産区集落(仲野勝代表)では、集落の中の耕作放棄地に地区内初の牛の放牧をした。
中山間地域では、作付けのよくない箇所から休耕が進み、次第に増える耕作放棄地は、イノシシなど野生動物にとって格好の場所として、獣害発生の要因になっている。そこで今注目されているのが放牧だ。飼育労力の軽減などのメリットから実施されている放牧が、牛の気配や臭いを嫌うのか、イノシシが出没しなくなったことからだ。
和牛は広島市が管理する「広島市青少年野外活動センター・広島市こども村」で、飼育管理されている2頭の妊娠牛を市から借り受け、約30eの耕作放棄地に放牧。放牧地を囲む電気柵の設置費用や、牛が逃げ出して民家などへ被害を与えた場合の損害保険料などは、中山間地域等直接支払制度を活用し、放牧中の管理は24時間体制で同生産集落の管理者5人で行う。
管理者の一人、大山忠司さん(66)は、「地域内の耕作放棄地が減り、放牧してすぐ、タヌキが出なくなった。この調子でイノシシも」と期待し、仲野代表も「農業を国土保全の視点からとらえ、農政も力を入れてほしい」と地域の現状を訴える。
牛の管理指導を支援する(財)広島市農林業振興センター指導課の迫田望課長補佐は「今回は放牧や電気柵に慣れた牛が地域にいなかったことから市の牛を放牧しましたが、実績づくりをして同様の悩みを持つ地域に普及できれば」と話している。(伊藤)
【写真説明】
@農業を国土保全の視点からとらえてほしい、と仲野代表
A放牧された休耕地で雑草を食べる和牛


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