水稲特集
"刈り取りが進まない"
ことしの水稲を振り返る
−尾を引く台風の影響−
夏本番までは好天候に恵まれ、早い生育状況で、穂数もあり"今年は豊作"の期待は高まりました。ところが、その後相次いだ台風の影響や不安定な天候で、倒伏や穂発芽の発生、ほ場の湿潤も重なって、収穫も思うように進んでいません。これまでになく"苦労の年"になった今年の稲作を振り返ってみます。
今年の生育概況と作柄
中国四国農政局から9月22日に発表された9月10日現在の作柄状況によると、広島県では県南部は101、県北部101で、県全体も101の「平年並み」となっています。
概況としては、生育期間に気温・日照時間ともに高く(多く)、生育を促進。出穂期は県平均で平年に比べ5日間早くなりました。もみ数は高温・多照で稲の栄養状態も良好に保たれ、平年よりもやや多くなりました。登熟は出穂後の日照不足や台風の影響で稔実や粒の肥大が抑制されるとの予測から、やや不良と見込まれます。病虫害の発生は、8月中旬からの日照不足・降雨で穂いもち病が一部地域で発生。また相次いだ台風による被害で早稲種を中心に倒伏や穂ずれが見られるほか、8月下旬以降、降水量が多いことから刈り遅れによる被害の拡大が懸念されています。
ことしは農家・稲にとって辛い年に…
−ことしの生育の検証−
本格的な稲刈りの時期になっても「こんな年は今まで経験したことがない」という声が出るほど、収穫が進まないことし。NOSAI西部管内の水稲生育状況はどうだったのか、広島県芸北地域事務所地域営農課…神畠義和普及専門員、遠藤健志主任にお伺いしながら、育状況を振りかえってみましょう。
文章中の気温・日照等については、図表を参照ください。

検証:育苗期
4月の気温は高めに推移しましたが、日照時間もあり、健苗ができたと思います。
検証:田植期
5月10日頃を中心に田植えが行われました。活着はおおむね良好でした。
その後5月中旬は夜温が高く、曇雨天で連休期間に田植えをされた稲は徒長気味になりました。5月下旬以降は順調に分けつが進み、梅雨入り後の6月は高温・多照でさらに分けつが進みました。葉色は濃い傾向でした。
茎数は平年と比べると全体的に多く、草丈も高くなる傾向だったようです。
検証:本田生育期
順調な生育が続き、、幼穂形成期は平年よりも4〜5日早かったようです。地力チッソが発現しやすく葉色が濃い傾向が続きました。7月25日ごろには出穂するなど、平年よりも5〜7日早い出穂期になりました。穂数は平年よりも多く、稈長は長い傾向でした。
検証:被害
《いもち》
いもち病は7月に注意報が出されるなど多い発生で、標高の高い所で多発傾向だったようです。
適期防除が行われているほ場では穂いもちに移行することも少なかったようです。ことしは稲の生育が早くなったことで、防除期の把握が難しかったかもしれません。
《台風》
台風10・15・16・18・21号などによる倒伏が早稲種を中心に発生しました。また、台風通過後に高温が続いたことから早生・中生とも穂発芽が発生しています。
検証:収量・品質
8月中旬までは穂数もあり、天候もおおむね良かったことから、豊作への期待は高まりました。
しかしその後の相次いだ台風などで、出穂が早かった割には成熟が遅れ、登熟が不十分となり、倒伏もあって、くず米や乳白粒などが目立ち、収量・品質ともに思わしくない内容です。今後、収穫が遅れる傾向が続けば状況の悪化が懸念されます。
まとめ
これらのことから、水稲の生育そのものは、出穂までは順調だったのですが、その後いくつもの台風や降雨によって登熟や刈取りにまで影響がおよび、「台風に振り回された年」と言えそうです。
被害を最小限にするには、「丈夫な稲を育てるための土づくり」、「稲の生育・ほ場の条件にあわせた施肥・水管理」、「溝きりなどの排水対策」など、基本的な生育管理や土づくりがポイントにつながるのではないかと思います。
慎重かつ適正な評価に全力
−みなさんからのご質問にお答えします−
NOSAI西部では、水稲損害評価野帳(被害申告)をされたほ場について、順次損害評価を行っています。特にことしは刈取り予定日に刈取りができず、被害状況が進行するほ場も多く、NOSAI西部では、再度被害状況を確認するなど、慎重かつ適正な評価に全力を上げており、水稲共済金のお支払い日を年内に完了させるため、現在も被害認定の手続きを進めているところです。
倒伏など風水害の多い今年、みなさんからお問い合わせいただく質問にお答えします。
Q:台風で倒伏したけど、被害になりますか?
A:倒伏そのものは確かに被害ですが、共済金支払対象になるかどうかは、「見込み収穫量」によって算定されます。
「水稲共済」は"水稲(コメ)の減収に対する補償"をする制度です。倒伏によってある一定の減収量を超えたときに、共済金支払い対象(減収1sあたり225円)となります。等級低下による所得(収入)補償ではありません。
Q:倒れた稲の穂が発芽したのだが、減収になるのですか?
A:水稲共済はコメの減収に対する補償ということから、穂発芽で一定量以上の減収が生じれば共済金支払い対象になります。1筆方式で加入の場合は平年作(基準収穫量)の3割以上の減収があったとき、その3割を超えた収量に対して共済金をお支払いします。
Q:被害申告をしましたが、評価はどのようにするのですか?
A: @まず、ある地区ごとに3名以上の「損害評価員」で評価を行う班を編成し、被害申告されたすべてのほ場について「見込み収穫量の推定(検見)」をします。
Aその後、公平な評価が行われたかを調査するために、評価後のほ場を任意に選び、実際に一部を刈取り(実測=坪刈り)ます。 この調査は組合で実施するほか、さらに連合会(組合上部組織)も行い、共済金支払いに向けての処理を進めます。
ハウスの冬支度
決めてはズバリ"園芸施設共済"です
相次いだ台風、特に18号は園芸施設に甚大な被害を与え、いまだにその影響は残っています。懸命な復旧作業がいまも進む中、もうすぐ冬を迎えます。
常に自然災害と隣り合わせの農業。大切な園芸施設の損害を補償するのは「NOSAIの園芸施設共済」です。
これからの季節、ハウスの"雪対策"とNOSAIの「園芸施設共済」をお忘れなく。
「園芸施設共済」へのご加入のご相談・お問い合わせはNOSAI西部まで。
《これで安心、雪対策》
@補強用の支柱や筋交いは、すぐ使えるところに準備。
A補強支柱は主骨組材の棟などを中心に、対象位置を支えるのが効果的。
B雪ずりを妨げるものはないか、ハウスの屋根を点検。(防風ネットは撤去)
C雪が積もったら速やかに雪降ろし。
D屋根の片側だけの積雪は、倒壊の危険あり。速やかに除雪。
E軒下の堆積雪は屋根の雪の滑落を妨げるので要注意。
F屋根の雪を水で流すと、重量が増大。倒壊した例もあるので要注意。
損害評価は11月から
気になる台風の影響
'04(H16)年産の大豆共済の引受は、近年の栽培拡大の動きを受けて高田郡支所・山県東部支所管内を中心に拡大。戸数で○○○戸、約○○fの引受となっています。
夏場までの天候は、大豆の生育にとって概ね良かったのですが、相次いだ台風災害は水稲同様に大豆にとってもマイナスになったことは否めず、今年の作柄が気になるところです。
NOSAI西部では大豆共済加入者のみなさんへ損害評価についての通知をお送りし、被害申告を取りまとめて10月中に損害評価を実施します。順調な評価が行えるようにご協力をお願いいたします。
麦の補償もおまかせください
−お申し込みは11月中に−
大豆栽培と同じく、地産地消の動きの中で、栽培面積が増加傾向の"麦"。ことし麦の作付を計画されているみなさんへ、"麦共済"加入申し込み受け付けのご案内です。
麦共済は、水稲共済と同じく1筆方式加入の場合、「自然災害・病虫害・鳥獣害などで3割以上の減収があったとき共済金をお支払いする」制度で、掛金の一部は国が負担しています。掛金(農家負担額)の目安は10eあたり約750円です。
お問い合わせ、ご加入は11月末までにNOSAI西部本所・各支所までどうぞ。
職員退職
山県西部支所
山本貞子次長退職

今年の9月30日付けをもって、山県西部支所:山本貞子次長が退職いたしました。
連合会、組合を通算して32年間NOSAI事業に携わり、この間組合員のみなさまには大変お世話になりました。ありがとうございました。
なお、山本さんの今後のご活躍をお祈りします。
情報BOX
受験案内
広島県立農業技術大学校
〜夢と希望と未来を育む 農技大〜
広島県立農業技術大学校では、次のとおり学生を募集しています。
◇募集定員 本科50名
園芸課程(野菜・花き・果樹コース)
畜産課程(肉用牛・酪農コース)
◇修業年限 2年
入学資格・選考方法・願書受付・試験日など、詳しくは各地域事務所までお問い合わせください。
◇お問い合わせ
・広島地域事務所 農林局地域営農課
пi082)513-5456(ダイヤルイン)
・呉地域事務所 農林局地域営農課
пi0823)22-5400(内線2530)
・芸北地域事務所 農林局地域営農課
пi082)814-3181(内線435)