新規就農をバックアップ。活力ある地域へ新風(広島市)



 「この道を選んでよかった」と新田泰彦さん(42)、西尾哲也さん(31)は口をそろえる。
 2人は(財)広島市農林業振興センターが実施する"ひろしま活力農業"経営者育成事業の第4期生。現在、同市安佐南区沼田町吉山地区でそれぞれ13棟約30eのハウスで小松菜や水菜、春菊など軟弱小物野菜を栽培し、年間30d余りを出荷している。
 ともにサラリーマンからの転身。「仕事をやめてまでなぜ農業を?と家族や知人から言われましたね」と2人。
 「自分が経営者になれるものを探していたとき、この研修事業を見つけ、応募しました。農業を、まだわかっていないのですが、自分の立てた計画が自分に返ってくるのが楽しい」と西尾さん。
 一方、新田さんはサラリーマン時代に「このままでいいのか」と悩み、有機栽培や自給自足へのあこがれから「田舎でできる仕事…農業がうかんだ」という。「まだまだ素人だが、教えてもらいながらでも自分で決めてやるスタイルが心地いい」とも。
 農業とは無縁だった新田さんらがこのように自立経営できた背景には、この事業が1f規模の農地確保をすることにある。新規就農者にとって見知らぬ地域での農地確保は容易ではないが、同センターの農地保有合理化法人機能の活用で自立経営に必要な農地が貸与される点だ。
 各地の農業者支援事業を調べ「広島のこの施策である程度食っていけると思った」と新田さん。西尾さんも「納得して就農できた」という。
 二人を指導する上吉山営農組合の原尻芳明さん(71)は、「いまや、土地利用や農業活性化など地域営農に大きな存在」と話し、中吉山営農組合の勇地明弘さん(57)も「地域に溶け込んでもらえるよう地域をあげて応援したい」と期待する。
 同センター指導課の横山裕彦技師は「農地、住居など地元の理解と協力があってこそ。いい関係で自立経営を確かなものに」と話している。(伊藤)

上 できることから地域へ貢献を、と西尾さん。

下 信頼関係を大切にしたい、と新田さん。