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「米生産農家として夢ややりがいのある農業をしたい。そのための新たな挑戦です」と話すのは、大朝町の渡辺實さん(53)。今年からコシヒカリの一部を転換し、「春陽」という品種の栽培を始めた。
春陽は、腎臓病患者向けの病態食として期待されている新品種の一つ。米に含まれる易消化性タンパク質の含量を減らした低グルテリン米で、食味は普通の米と変わらないのが特徴だ。
「求められる米を作って、食べる人に喜んでもらうことが私たちの喜びになる」と渡辺さん。この医療用米の栽培に、渡辺さんら同町の若手農家4人と1法人が挑戦。春陽の種もみ供給や集荷を行う株式会社「三幸」(大阪市)と栽培契約して約3fを定植、全量出荷する。
春陽の栽培にあたり、一般種子との混合回避や自家採種、第三者への譲渡が禁止。決められた肥培管理や生産履歴の報告―など厳しい管理が求められる。出荷後の成分分析の結果が基準値に満たない場合は、医療米として認められない。買い取り価格にも大きく影響するという。
同社の石橋忠大専務取締役は「医療米という命に関わる米だけに、確かな栽培管理をされている渡辺さんらを信頼して契約しました。現在全国17カ所で栽培する春陽を、今後産地化していきたい」と話す。
栽培者の一人、鈴木栄治さん(26)は「必要とされる米を作りたい。これからですよ」と意気込む。渡辺さんは「この挑戦はリスクもあるが夢も大きい。長い目で若手が本気で取り組める魅力ある農業になっていけば」と話している。
写真説明:医療米作りの挑戦を始めた渡辺さん。「やりがいがあるし、若い人にとって魅力ある農業にしたい」と意気込む
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